イヌビワ | ||||
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科 | クワ科 | 属 | イチジク属 | |
漢字 | 犬枇杷 | 種類 | 落葉小高木 | |
幹 | 高さ3〜5mになる 樹皮は平滑で灰褐色 枝を分枝する 傷つけると白乳汁を出す |
葉 | 互生 卵状楕円形(長さ8〜20p、幅3〜8p)で先は急にとがり基部は円形 質はやや薄い 縁は全縁で両面とも無毛 葉柄は2〜5cm 葉が細長いものをホソバイヌビワという |
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花 | 花期 4〜6月、雌雄別株 新葉の葉腋に花嚢(かのう)を1個ずつつける 雌雄の花嚢は同形(長さ8〜10oの球形) 花嚢の内部に小さな花をつける(詳細は下の考察を参照) |
果実 | 果嚢は直径約2pの球形 10〜11月に濃い紫色に熟す |
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分布 | 本州(関東以西)、四国、九州、沖縄 | 別名 | イタビ | |
名前のいわれ | 実がビワに似ているところから | |||
名は、実がビワに似ている。とみてついたのだが・・。イチジクと同属だといわれたら、「なるほど」と思う。果(花)嚢をちぎるとイチジクの実と同じように乳白色の液が出てくる。このことから万葉集では「ちち」と呼ばれている。。花は花嚢の中でできるので見えない。まさにイチジクと同じ無花果である。受精はこの果嚢の中へうまく入るイヌビワコバチという虫の媒介に頼っている。 雌雄別株。神戸では暖地系の木である。山裾などで見ることが多い。葉が細長いものをホソバイヌビワという |
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イヌビワとイヌビワコバチの関係(考察) | ||||
紅葉 平成15年12月3日 神戸 | 時期 | 雄株 | 雌株 | |
卵からイヌビワコバチが生まれる 雄・・・羽根がない 一生この花嚢の中で過ごす 雌・・羽根がありやがて飛び立つ |
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4〜6月 | 仮雌花が咲いている 雌のイヌビワコバチが仮雌花をめがけて入ってくる 仮雌花は受精できない イヌビワコバチの雌は ・雄と交尾する ・卵を産む ・産卵された仮雌花は虫こぶになり卵が幼虫になったときの栄養になる ・交尾した雄は死ぬ |
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7〜8月 | 雄花が咲いている 雌のイヌビワコバチは花粉をつけて飛び立つ |
雌花が咲いている 花粉をつけた雌のイヌビワコバチが入ってくる 花柱が長くイヌビワコバチは蜜を吸うことができない イヌビワコバチは焦って暴れる・・・受粉し受精する 雌のイヌビワコバチはそのまま死んでしまう |
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秋 | 若い果嚢ができてくる 別の雌にイヌビワコバチが産卵する やがで幼虫になり越冬する |
実が熟す | ||
ハチが入りやすいように開いている雄果嚢 平成21年8月3日 神戸 | 黒紫色に熟した雌果嚢 平成18年10月21日 神戸 | |||
灰褐色の樹皮 平成25年12月12日 神戸 | 紅葉した黄色い葉はきれい。 平成16年12月11日 神戸 | |||
葉 平成24年10月14日 神戸 | ホソバイヌビワとよばれる型 平成20年12月13日 神戸 | |||
雄果嚢にいるイヌビワコバチ 平成26年11月22日 東播磨 | 羽根がある雌のイヌビワコバチ 平成26年11月22日 東播磨 | |||
雄株の雄花期の果嚢 平成26年7月21日 神戸 | 展開し始めた新葉 平成26年4月10日 神戸 | |||
中ではイヌビワコバチが育っている 平成26年1月31日 神戸 | 先端がとがる冬芽 平成26年1月31日 神戸 | |||
道端での芽生え 平成25年12月12日 神戸 | コラム | |||
イヌビワとイヌビワコバチは共生関係である。 イヌビワコバチの子どもはイヌビワの雄果嚢の中で卵から生まれる。 雄のイヌビワコバチの子どもは生まれながらに羽がない。 雄のイヌビワコバチは生まれて間もなく同じところで生まれたイヌビワコバチの雌と交尾をしたあと果嚢から外へ出ることもなく生命を終わる。 (雄のイヌビワコバチはあわれですね・・・) 雌のイヌビワコバチは羽根がある。 雌のイヌビワコバチは雄と交尾をしし雄果嚢の中で咲いているイヌビワの雄花の花粉をいっぱいつけて生まれた果嚢から外に出る。 外へ出た雌のイヌビワコバチは他の果嚢を探して飛んでいき、見つけた果嚢の中へ入っていく。 雌のイヌビワコバチが入った果嚢が雄果嚢の場合 イヌビワの雄果嚢の中には仮雌花が咲いている。イヌビワコバチは仮雌花をめがけて入っていく。 仮雌花の柱頭は短くてイヌビワコバチは柱頭に留まって蜜を吸うことができる。 仮雌花は受精はできない 。ここでイヌビワコバチは卵を産む。イヌビワコバチの卵はここで孵化しイヌビワのこの雄果嚢の中で育つ。 イヌビワは受精できないがこの果嚢の中でイヌビワコバチをでそだてる。 イヌビワコバチが入った果嚢が雌果嚢の場合。 入ったイヌビワの雌果嚢果嚢の中には雌花がたくさん咲いている。イヌビワコバチは雌花の柱頭に行き蜜を吸おうとするが柱頭が長くて蜜を吸うことが出来ない。あせったイヌビワコバチは暴れる時に運んできた花粉がイヌビワの柱頭につき受粉する暴れるイヌビワコバチはそのまま死を迎えるだけである・・・。 イヌビワコバチは死を迎えるだけであるがイヌビワは受精し種をつくることができる |
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