わくわく体験植物見聞録
その1
4月末散歩中に谷向こうの尾根に白く輝いて見えるものがある。「何だろう?」と思い、行って確かめてみることにした。「すぐに行けるだろう」と思ったのが大きな間違いだった。道のないところを苦労してやっとたどりつた。目に飛び込んできたのが幹が黒っぽいでこぼこした特徴的で、白い不思議な花をいっぱい付けた、初めてみるものだった。
帰宅後、図鑑で調べてみると「クロバイ」のようだ。しかし確かなことはわからないので兵庫県立三木山森林公園に松元樹木医さんを訪ね聞いてみた。「クロバイです。この公園にもありますよ」と」案内していただいた。同じ花を付けた木があった。何回も来た公園なのに・・・。数日後、加西市に行ったときあちらこちらの山が白くなっており、よく見てみると、あのめずらしいクロバイだった。たくさんある植物なのですね。
でも、私には山をかき分け最初に見たクロバイがいつまでも「私のクロバイ」でありつづけるのです。
・・・クロバイの和名はこの木の樹皮が黒みを帯びており、そして木葉の灰を利用することによる。ハイノキも同様の意味で、本種の灰は染物に使う。
(原色樹木大図鑑 北隆館)
ウバユリ (ユリ科)
よく散歩するところで何年も前から右の植物を見ていた。でも、花や実を見たことがなく、何という植物か全然わからなかった。「ナスビのような花が咲くのだろうか」と思い図鑑を見るのだがわからない・・・。そこで、植物について指導をしていただいている人にこの写真を送り尋ねました。すぐに「それはウバユリでお盆のころに花を見ることが出来ますよ」わざわざ自宅近くで撮ってきてくださった写真とウバユリについてのいろいろなていねいな説明を送って下さった。
やがて8月はじめ、別の場所を歩いているとき、左の写真のようなウバユリの花がたくさん見られた。ぼろぼろになった葉が少しついているもの、葉が全然ないものなどがあった。その人に教えていただいていなければこの植物の名前はわからないままだ。
ウバユリとは、姥百合の意で、花の時は、既にその葉がなく、枯れて茎上にこれ無く、葉は頂に1,2の果実を残して立っている。即ち姿は、通常年が寄って、歯が抜けてないので、そう言われる。しかしこれを爺百合(じじゆり)とは言わない、とにかく男は疎んぜられている。 牧野富太郎
(植物一家言 北隆館)